睦月の夢想窓(むそうまど)~ある雪景色~

ぱたぱたと
柔(やわ)き足音
こだまして
小さき掌
あける無双窓(むそうまど)

睦月の
白き客人(まろうど)
そっとくる
伝えたき想い 
重ねかさねて

静かな光 
薄青色に
部屋めぐり
海の底ごと
ぼんやりと

かんとする
透かし気配に
幼子の頬
えくぼつくりて

然々(つれつれ)に
 椿の花より
とびはねて
いたずらす

黄色い長くつ
あちこちに
無垢の語らい
後のこし
てんてんてんと

まぶしと
残雪たどる
晴天の
澄んだまなざし


廊下をぱたぱたと
やわらかい足音がきこえてきます。
小さなその手は、ドキドキして昔風の
雨戸(無双窓)をあけまし