鸛(こうのとり)緩やかに飛ぶ竹田城

     「アロマ」の句


 耶馬渓に自然薯蕎麦を食ぶ親子

 秋晴れに耶馬渓日差しきらきらと

 露地菊の花赤さびて美しき

 蕎麦美味し秩父の田舎駅前に

 夕風にすらり立ち揺れ紫苑咲く

 窓辺に瞑想彼方の山脈へ

 英彦山をスロープカーでゆっくりと

 韓圀岳は錦を羽織り秋の旅

 朝の高千穂河原にゆったりと

 霧島神宮朱い鳥居と御社と

 藍い瞳の如き大浪池に

 鸛(こうのとり)緩やかに飛ぶ竹田城


    「杉田久女」の句


 新涼や日当りながら竹の雨

 新涼やほの明るみし柿の数

 二百十日の月穏やかに芋畠

 ひろ葉打つ無月の