春の霜朧に溶けて草の上

 春の霜朧に溶けて草の上  アロマ

 晩霜や手紙の宛名市となりて  暮石

 晩霜や花からたちに山羊を飼ふ  石原舟月 山鵲

 晩霜をくすべて三日李畑  山中 真智子

 晩霜警報農には農の荷あまれり  及川貞

 谺して春霜木々へ還りゆく  藤田湘子

 道のべに春霜解けてにじむほど  皆吉爽雨

 あけぼのや麦の葉末の春の霜  鬼貫

 かはらけに味噌やく朝や春の霜  四明句集 中川四明

 これきりと見えてどつさり春の霜  一茶

 つかの間の春の霜置き浅間燃ゆ  前田普羅 春寒浅間山

 一握の韮の切口春の霜  松村蒼石 春霰

 一握り塩振