峠という字を見ると山に上と下とかいてある。山を越えるときというより越中の人が信州に、信州の人が甲州にと移動するときはるかそびえる山を乗り越すか、または川をくだって平野にでて海岸線をたどりさらに川をさかのぼり移動するほかなかった。というより
他国に関心をもつ余裕はなかった時代、移動するのは戦を除いて限られ人だけだったにちがいない。
 余裕のある人は山の向こうにはどんな国があるんだろうと想いをはせたにちがいない。
越えたくて越えた峠、越えたくないのに越ええなければならなかった峠 峠は歴史と共にあった。
 江戸時代後期葛飾北斎は還暦をすぎてから小布施をめざした