白い磁器新茶の色冴え冴えと

 山水を引きしわが家の新茶召せ  安原葉

  嵯峨の柴折焚宇治の新茶哉  蓼太

  庭先に大釜すゑて新茶煎る  尾石 ゑい

 彼一語我一語新茶淹れながら  高浜虚子

  手拭風に再び解けて新茶摘む  阿部みどり女 笹鳴

  掌の熱し熱しと新茶揉む  河原 好枝

  新茶いれ朝は草めく夫婦なり  熊谷愛子

  新茶いれ野鳥の声のはづみをり  星川 青鷹

 新茶くむしづく配りに十余客  皆吉爽雨 泉声

 新茶くむそれの葉くぐりつつ来るを  皆吉爽雨

  新茶くむ宇治の朝けは窓に瀬々  皆吉爽雨 泉声

  新茶くむ対座のひまを夜気なが