河骨の揺れる清流東北に

   「アロマ」の句


 カルデラの道タクシーで行き宿へ

 街の辻芙蓉数本咲いており

 日傘はオレンジ格子爽やかに

 カナダの白樺の黄葉眩し

 河骨の揺れる清流東北に

 桂花陳酒飲みつつ茸焼く

 露天風呂薄の向こう涅槃岳

 日盛りに白い帽子と麻の服

 燕宙返りして空青く

 早朝に蝉鳴き出して盛夏なり


   「川端茅舎」の句


 一夜明くれば俄然として花の流れかな

 麗かや松を離るる鳶の笛

 春暁や音もたてずに牡丹雪

 涅槃会に吟じて花鳥諷詠詩

 春天に鳩をあげたる伽藍かな

 春雷や牡丹の蕾まつ蒼に

 大銀杏無尽蔵なる