鰹のたたき美味し岩塩で 

 みどり葉を敷いて楚々たり初鰹  三橋鷹女

 めでたかり出刃打ちこんで初鰹  石川桂郎 四温

  一と膳のみな海の幸初鰹  篠原 美加英

  一本を抛り足したる初鰹  串上 青蓑

  上の句はなんであらうと初松魚  加藤郁乎 江戸桜

 中落に一擲銭や初鰹  松根東洋城

  久闊や土佐もここなる初鰹  高木晴子

  今日のみは江戸つ子たらむ初鰹  林翔

  俎に頭はみだし初鰹  高橋絹代

  冷々と舌に載りけり初鰹  増田龍雨 龍雨句集

  初松魚あゝつがもねえなまりとは  加藤郁乎 江戸桜

  初松魚厨に人のたかりけり  柑子句集