夜涼月影冴えて木の葉揺れ

 気っ風よき啖呵のごとき涼気とも  高澤良一 寒暑

  水ちかき夜涼の石を踏まへけり  石原舟月 山鵲

  水郷の夜涼の子等のハーモニカ  高濱年尾 年尾句集

  水銀灯晩涼の町坂勝ちに  冨田みのる

 沖へ燈を送り夜涼の塔下る  原裕 青垣

 白桔梗晩涼に人うごき居り  岡本松浜 白菊

 夜涼月影冴えて木の葉揺れ  アロマ

 竹藪の晩涼をとぶ黒き蝶  阿部みどり女

 町なかに草のにほひの夜涼かな  鷲谷七菜子

 朝涼の一番電車花の荷と  茂里正治

 朝涼に紅茶を淹れてゆっくりと アロマ

 朝涼の渡り廊下に言交はす  西村和子 窓