長崎・島原・天草の潜伏キリシタン ユネスコの世界遺産登録を受けたことについて 

 私は、クリスチャンではありませんが、他人が密かに大切にしてきたものを尊重しようとは思っています。それも、弾圧を受け、権力に抗して、心の支えとしてきたものを守り続けた態度は、レゾンデートルに等しいものではないかと。

キリスト教の布教と、植民地の支配は、宗教と銃砲を持った西欧諸国の侵出の両輪の役割を果たしてきた、というのも事実だと思います。しかし、新しい宗教を受け止めた人たちが、その地の権力者への抵抗と自分たちの生きるよすがとした点を考えれば、島原・天草の人たちの宗教に生きた姿に、敬意の念を抱かずにはいられません。神など観念の自己疎外だと、言い切ってきま