古き国古き彩してげんげ咲く 右城暮石 上下
妻が長女に譲りしルビー花紫雲英 中村草田男
娯楽なき鳥にげんげを薙ぎ払ふ 鷹羽狩行
子を負はねばげんげ田の妻ひるがへる 伊藤白潮
桜島いまし雲ぬぎ紫雲英の上 山口青邨
田の神のためにげんげを敷きつめし 鷹羽狩行
田一枚げんげ豊かや波郷の家 村山故郷
風に揺るゝげんげの花の畦づたひ 星野立子
鋭角の紫三角田のげんげ 山口誓子
裸足の娘げんげの畦を音もなく 松本たかし
鋤きし田を囲みてげんげ田の真紅 鷹羽狩行
タラップを降りて紫雲英の風の中