山清水朝は水量多くなる

 村の子の草くぐりゆく清水かな  石井露月

 泰山に顔つけてのむ岩清水  俊成七島

 土間足駄かりかりひびき井戸清水  中村草田男

 冬浜に湧く真清水の香をまとふ  原裕 葦牙

 筒鳥や桶より溢れ山清水  早川とも子

 銅盤に溢るゝ清水秋の風  西山泊雲 泊雲句集

 水盤の清水煌めき日は翳る アロマ

 比叡と云へば横川を挙ぐる清水かな  尾崎迷堂 孤輪

 膝もとに清水あふるるさくらかな  鈴木貞雄

 百里来し人の如くに清水見ゆ  細見綾子

 漂泊は跡をとどめず湧く清水  野見山朱鳥

 無佛寺の蕎麦につめたき清水かな  中勘助

 放