草津の温泉饅頭若葉色

 里若葉ゆふべの厨魚焼ける  田中冬二 俳句拾遺

 重づめに泡盛酒や若葉蔭  井月の句集 井上井月

 跳ねるから十勝の仔馬若葉いろ  金子皆子

 近き海を忘るゝほどの若葉かな  原石鼎 花影以後

 草津の温泉饅頭若葉色  アロマ

 透明に風すぎてゆく若葉かな  川口咲子

 部屋暗し若葉の庭に居過ぎたる  稲畑汀子

 木蔭にキャンバス立てて若葉描く  アロマ

 金色のあかき日の出の若葉ごし  原石鼎 花影以後

 銀婚のうたげの若葉ぐもりかな  久保田万太郎 流寓抄以後

鍋提げて若葉の谷へ下りけり  夏目漱石 大正三年

 ベルギー五月