小鉢に塩揉みの瓜盛り上げて

 瓜を揉む一晩泊る母の家  山崎千枝子

 瓜刻む足もとに来て蟹可愛  富安風生

  瓜割つて立ちのぼる香の目に見ゆる  宮津昭彦

  瓜喰ふて旅の労れや野の茶店 瓜  正岡子規

 瓜噛むや四方の緑に咽びつゝ  東洋城千句

 瓜噛んで隣人のこえ好しとする  小宅容義

  瓜売が青にまみれて直立す  九鬼あきゑ

 早口言葉「瓜売りが瓜売りにきて」 アロマ

 瓜好きの僧正山を下りけり  瓜 正岡子規

 瓜守れば父も唄ひぬ月の下  石田波郷

 瓜抱いて足柄の子の川あそび  下田稔

  瓜持つてさしさはりなき人に蹤く  晴子

 瓜揉み