草原に罌粟咲く日の空蒼く

 船乗りの一浜留守ぞ罌粟の花  去来

 しら芥子や施米の桝にほろと散る  室生犀星 魚眠洞發句集

 罌粟咲いて見に行かばやと心急く  アロマ

 青雲や馬鍬やすむる昼の罌粟  丈草

 陶片は土に還らず罌粟赤し  久保武

  陽に倦みてひな罌粟いよよくれなゐに  木下夕爾

  雨の中淡きみどりや罌粟若葉  川口咲子

 青時雨地上一階は罌粟咲く灯り  金子弘子

 風が攫ふいのちなりけり罌粟の花  佐藤美恵子

 阿片の花白曼陀羅の罌粟畑  橋本夢道 無類の妻

 窓辺に灯りの様に罌粟生ける  アロマ

 車窓うつ雨の青さや罌粟畑  桂樟蹊子