日盛りの庭に夏草耀いて

 夏草や官幣大社富士浅間  尾崎迷堂 孤輪

 夏草や薊を幽かなるものに  尾崎迷堂 孤輪

 夏草を刈りて川音近くせり  内田八重子

 万愚節夏草新人賞を授与  山口青邨

 夏草の香り豊かに夕暮れて  アロマ

 戦争が隠れている猛々しい夏草  渡野辺朴愁

 戦場のあの夏草を今そこに  岡島伴郎(日矢)

 投降せし日の夏草と思ひ嗅ぐ  増田三果樹

 拾ひたるペン夏草の匂ひ持つ  牛島玲子

 なだらかにある夏草の分水嶺  右城暮石

 風戦ぐ夏草の野に一人立つ  アロマ

 測量杭打てり夏草光る土手  おおにしひろし

 潮しぶき夏草人を得