沿道の白樺黄葉に風戦ぐ 

 ユーカラを聞く白樺の榾を足し  松原智津子

 ゆく夏の白樺に吊る小禽籠  二反田京子

 ゆれやまぬ樺の花房空すがし  伊藤晴輝

 闇よせぬ幹は白樺夜鷹なく  井沢正江

 一山は白樺ばかり闘牛祭  柳幸ヨミ

 一本の樺見ゆ他は一切霧  高澤良一 随笑

 猿むれてうすゆきけぶる樺林  飯田蛇笏 春蘭

 奥飛騨の春炉に浄し樺の燠  文挟夫佐恵 雨 月

 黄葉や白樺樹林五百本  水見壽男

 花かんば伊那より諏訪へ花嫁来  和気佐和子

 花かんば北軽井沢夜明けたり  佐川広治

 花かんば靄立ちこめし霧ヶ峰  石塚ユリ

 花樺の花粉がすみと