連載:ジョギング

「朝4時に起きて走るんです」

あっという間に離されてしまった。小柄な彼女は私を追い越して行くとき檄を飛ばした。
「歩かない!」

その日も朝からかなり暑く、不要不急の用がない限り外出は控えろとテレビが繰り返していた。走り出したのは9時過ぎ。直射日光の下で走るなど、頭がおかしい連中としか見えないだろう。

彼女は今日も花束の買い物を一緒にしている。奥様が亡くなって10年以上経つ男性は、毎週お墓参りを欠かさない。私達も一緒にお参りをした。

墓地から出て、このまま「県民の森」に行くかどうか皆で話した。台風が近づいている。雨も降りそうだった。なんせ朝起きたときには結構降っていた。

「今日