ほたる狩り河原の岩に明滅す

 あやめ咲く宿に泊りて螢狩  高橋淡路女 淡路女百句

 姉の背の熱き記憶や螢狩  松崎鉄之介

 こざかしき車のライト蛍狩  寒河江桑弓

 この先は細すぎる畦螢狩  松尾隆信

 それほどの遠さといはず蛍狩  島田一耕史

 ともに名を明かさず別れ螢狩  長田等

 ひとすぢのこの川あふれ蛍狩  前田野生子

 ほたる狩帰路の遅月さしにけり  飯田蛇笏 椿花集

 やはらかく肩つかまれし螢狩  朝倉和江

 バイキング料理が付いて蛍狩  土橋いさむ

 蛍狩り河原に家族と眺め立つ  アロマ

 涼しさや月出るまでの蛍がり  正岡子規 蛍

  深吉野