葛餅の包装紙の俳句佳し

 餅焦がす捨て切れぬ駄句うろうろし  渡辺 恭子

 夜の秋の今は俳句の友たりき  瀧春一 菜園

 夜の蝉も十七文字も紋切り型  高澤良一 素抱

 木瓜の花もってまはらぬ俳句好し  高澤良一 素抱

 苗売の声流れ来し俳句会  肥田埜勝美

 発火性十七文字寒の雨  高野ムツオ 蟲の王

 発句してわらわせにけりけふの月  内藤丈草

 木瓜の句を詠みしが最初の俳句なり  アロマ

 文字摺草さらりと発句ひとひねり  角田双柿

 碧天を占めた俳句の時間帯  浅野逍風

 連句して御室に鹿を聞く夜かな  蕪村

 絲爪忌やドイツに俳句育ちつつ  千原