新鮮な鯖の刺身を母造る

 柿若葉青鯖売の通りけり  田中冬二 行人

 水揚げの鯖が走れり鯖の上  石田勝彦

  氷中の鯖に五彩の朝日あり  古館曹人

  流水去り産みの匂いの鯖館  小泉八重子

  海の中鯖青くして雪止みぬ  平畑静塔

 海上も静に並ぶ鯖火かな  橘中

 鯖うまくなりて九月や雨ばかり  草間時彦

 鯖ずしのつめたかりける祭かな  草城

  鯖とる火星と交信するごとし  川村紫陽

  鯖と葉といのちはこんで葉月の地  阿部完市 春日朝歌

  鯖の子の潮に乗りくる波切港  山崎新多浪

 鯖の斑の淋漓と祭来たりけり  小川軽舟

 鯖の