連載:介護

「恋と仕事に卒業はない」

一度玄関に出てからまた戻った。庭に沢山咲いている薄紫色のトラノオを一本切って、窓際に並べてある一輪挿しに刺した。水は入れずにバッグに突っ込んだ。

ホームに着いてフロアーに顔を出すとき、片手に一輪挿しを持っていた。それを見つけた婆様が「あら、綺麗ね」と笑顔になった。

今までよくホームに花を持って行ったが、いつ辞めてもいいように、その一輪挿しの花瓶を持ち帰っていた。ロッカーも殆ど空にした。


孫の顔を見に行くときは娘にメールする。昔、娘と行った駅近の寿司を希望された。駅に着いていた。店が開店するまで一時間ある。近くの百均のビルに入った。面白いものが一杯