ふわりと美女通る宵の街角

 古も美女はありけり春灯  佐藤春夫

 糠雨に少し乱れし美女柳  安斉君子

 紅梅や畦より低き小町塚  野崎ゆり香

 紅葉冷絶世美人と刻せし碑  西本一都 景色

 桜々散つて佳人の夢に入る  上田無腸

 笹鳴や小町通りをそれてすぐ  川崎展宏

 山宿に美女生れつぎて芹を摘む  西本一都 景色

 桃の日や蟹は美人に笑るゝ  服部嵐雪

 年籠して小面は美女と思ふ  阿波野青畝

 夏美人肌爽やかに小麦色 アロマ

 柏餅届けてくれし美人記者  町春草

 愛くるし桜餅食む乙女子等  アロマ

 美女谷や髪に飾りて常山木(くさぎ)の実  嶋田麻