連載:2018年秋の蓼科高原暮らし

2018年秋の蓼科暮らし(10) 友あり遠くより来る、天空の村「遠山郷下栗の里」

 千葉の親友夫妻滞在二日目は午前中に宝剣岳千畳敷カールから下りて信州の最南部、飯田市上村地区、南アルプスの山懐に抱かれた秘境「遠山郷」の「下栗の里」に行った。
 長野県内には地域の名前に「郷」とつく秘境が県北部、新潟県と境の秋山郷と県南部、静岡県との境のここ遠山郷と二つあり、秋山郷は志賀高原かせ流れ下る信濃川の上流で一年のうち半年近く雪に埋もれる豪雪地、遠山郷は南アルプスから流れ下る天竜川の支流沿いの深い渓谷でどちらも渓谷を深く分け入った秘境だ。
 遠山郷の中でも我々がこの日訪れた「下栗の里」は渓谷の谷間から車の離合に苦労するヘアピンカーブの細い道を標高