連載:余命告知

余命告知に医師ら苦慮…診断困難、「容体急変することも」

余命告知がなく残された時間を充実させることができなかったとして、がんで死亡した女性の遺族が医師らに損害賠償を求めた訴訟の初弁論が先月末、大分地裁で開かれた。余命や病名の告知を巡ってトラブルとなるケースはたびたびあり、現場の医師らも対応に苦慮している。
 訴状などによると、女性は2005年頃に乳がんを発症。肺などにも転移し、今年1月、容体が急変して亡くなった。医師は死亡の9日前に「余命1か月」と診断していたが、本人や家族への余命告知はなかったとされる。
 がん患者への告知を巡る最高裁の02年判決は、医師の裁量を認めたうえで、余命が限られていることを本人に伝