浮き輪邪魔になりもう持たず 

 絵本のやう赤燈台と浮輪の子  高澤良一 寒暑

 監視員浮輪に片手入れて佇つ  丸山工(梟)

 急流に近づいてゆく浮輪かな  辻桃子

 五能線浜に手を振る浮輪の子  高澤良一 寒暑

 広島の忌や浮袋砂まぶれ  西東三鬼

 砂浜の浮輪片足入れてみる  津高里永子

 春風やからだのなかに浮袋  大井恒行

 昼寝より覚めし浮輪を外しけり  佐々木六戈

 東京に帰る浮輪を手放さず  深川正一郎

 胴体にはめて浮輪を買つてくる  辻桃子

 赤い浮き輪で泳ぐ小さな子  アロマ

 浮輪の子嬉々と寄る波跨ぎゆく  高澤良一 暮津

 末の子の泳げる