「天の福 地の福」

むかしあったてんがのある村に、しょうじきじいさまと、いじわるじいさまが隣り合って暮らしておったと。ある年の暮れ、しょうじきじいさまが、
「お正月になったら、まさゆめのみやっこするべいや」というと、いじわるじいさまも「おお、よかろうて」、
2人は固い約束をしたんだって。

お正月の3日の朝、家の前で2人は、「おいおい、ゆめ見たか」「ああよ、見たとも見たとも」

しょうじきじいさま、「おら、天から福を授かりた夢、見たや」
いじわるじいさま、隣に負けてなるかってニタニタ笑っていったって。
「おらよ。地から福をさずかりたゆめ、見たや」

何日か経ってね、しょうじ