生命のざわめき

好きな詩を2編紹介します。
最初は高見順の「青春の健在」というタイトルの詩です。
高見順ががんで入院するときに見た風景が描かれています。実際にこう思うかどうか分かりませんが、なんとなく気持ちは分かります。


    青春の健在

電車が川崎駅にとまる
さわやかな朝の光のふりそそぐホームに
電車からどっと客が降りる
十月の
朝のラッシュアワー
ほかのホームも
ここで降りて学校へ行く中学生や
職場に出勤する人々でいっぱいだ
むんむんと活気にあふれている
私はこのまま乗って行って病院にはいるのだ
ホームを急ぐ中学生たちはかつての私のように
昔ながらのかばんを