戦後よく言われてきたことに、日本人が身勝手になって、公共心がなくなったのは、個人の権利ばかり強調する日本国憲法のせいだ、とする意見がよく言われます。
日本人が身勝手になって、公共心がなくなったこと自体は認めるが、その理由を日本国憲法に求めるのは私は間違いだと思います。
その理由はこうです。日本国憲法は個人の尊厳を指導原理とするのが、一般的な憲法解釈であり、その根拠条文は１３条です。しかし、その前の１２条「自由及び権利の保持についての国民の責任」において、「また、国民はこれ（権利）を濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負