初夢の覚めて電気の紐親し 西村和子
暑気中りどこかに電気鉋鳴り 百合山羽公
植木市に裸電気のある余寒 右城暮石 句集外 昭和十二年
伸べ得たり電気毛布に左右の膝 水原秋桜子
寝支度の電気毛布をぬくめに行く 高澤良一 鳩信
人肌の電気毛布をあがなへる 三橋敏雄
青年波郷電気毛布の夢に出て 相馬遷子
雪のある一日が暮れて電気ともる 右城暮石 句集外 昭和三十二年
雪山に灯なき電気に雪が降る 金子兜太
雪兎つくる電気がついてから 飯島晴子
絶縁や電気でできた星に棲む 木村聡雄
鶴は確かに静か