麦畑雲雀一直線に落下


 せつせつにゴッホの郷や夏雲雀  小池文子 巴里蕭条

 そちこちす人に雲雀のまた揚る  高野素十

 その声を視野にとらへし揚雲雀  林 香翠

 たましひの遊び上手や揚雲雀  河口仁志

 ちい~と絶え入る声や練雲雀  子規句集 虚子・碧梧桐選

 ちりちりと雲雀のこゑや膝立てて  中田剛 珠樹以後

 てのひらの匂い雲雀の巣の匂い  坪内稔典

 てふてふは寝てもすますに雲雀かな  千代尼

 とほめきて雲の端になく夏ひばり  飯田蛇笏

 なきがらに雲雀うたふと思ふのみ  岸本尚毅 舜

 なく雲雀松風立ちて落ちにけむ  秋櫻子 (唐招提寺)