えんどうの花ゆれ封書のような雲 穴井太 土語
ぼってりと膨らむ封書やって来る アロマ
つばくらや掌にのせ量る厚封書 谿昭哉 『航跡』
てのひらに秤る封書やつばめくる 坂田みつ代
衣更へて封書一通ふところへ 富田晴彦
押さへてもふくらむ封書風薫る 八染藍子
雁渡し写真在中なる封書 西田安子
記念切手のはみ出す封書鵙の声 西原温子
旧姓で妻への封書ハンモック 原田青児
訣別の封書は薄し日のすみれ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
言満つる封書の重み山ざくら 林 翔
湖風の冬芽封書のかたさ持つ 岩淵喜