やはり、生前退位は好ましくなかったかもしれない。

 今上陛下が、高齢を理由に退位を強く望まれことには、いろいろ理由はあるだろうが、やはり父君の昭和天皇の病が長く、1988年後半は忘年会や新年会などの需要が高まる時期に自粛ムードが続き、経済に深刻な影響をもたらしかねない状況にあったことも、その理由のひとつかもしれない。私は日本にいなかったので、いまひとつ深刻に感じられなかったが、そこまでやるか、という雰囲気は伝わってきた。

 退位に関する法令がどうなっているから、詳しくはしらないが、今上陛下の退位が一代限りの特例であるなら、これからも天皇が薨去しないかぎり代替わりはなく、したがって改元も、天皇崩御という