からっとオニオンリングと烏賊リング


 吊玉葱芽吹く三寒四温かな  山田みづえ 木語

 軒先に玉葱吊って薄茶色  アロマ

 島いつぱい木の芽満ち中にふと玉葱  加藤秋邨

  強し青年干潟に玉葱腐る日も  金子兜太

  我或は玉葱畑に手をかざし  高野素十

  春の小火吊玉葱にいまうつる  平畑静塔

 月面を逝(す)ぎて来たれり酢玉葱  永田耕衣

  朝焼の玉葱どさと置いて去る  佐藤鬼房

 火の中にゐる高齢の玉葱たち  飯島晴子

  猫よぎり玉葱畑の風光る  橋閒石 雪

 玉葱がひとつころがり藍市城  加藤秋邨

  玉葱に盛衰これは淡路産  後藤比奈夫