生命系の進化論 愛-10

    5.5.7飯田喜久子さんの詩
最後を、飯田喜久子さんの詩で締めくくる

今日も同じ仲間の盲人のために働いている、一人の女の子がいる。
私が初めて彼女を見た時、“恐ろしい”と思った。
顔面醜くただれている。眼は、だらりと開いたまま
下瞼の赤いところが、そのまま見えている。
私はぐっと感情を抑えた。

そんな彼女も、他の仲間と変わらぬ態度で働いている。
以前から彼女に接している仲間は、何も思わずに話している。笑い合っている。

それが、私には不思議に思えた。

ほとんど眼の見えない彼女も、赤いセータ、赤いサンダル、おしゃれを楽しんでいる。
着物の話