宿の灯り点って若葉時


 いちにちのつかれ仰げば若葉したゝりぬ  種田山頭火

 いまは静かに雲を噴く山の若葉なり  荻原井泉水

 うつくしき名は散りはてゝ若葉哉  政岡子規 若葉

 うれしさは旅より戻る若葉哉  政岡子規 若葉

 おばしまにみなよつてゐる若葉かな  山口青邨

 おん眉に若葉影さし又消えぬ  水原秋櫻子 玄魚

 お木曳の神領若葉むせかへる  山田みづえ 草譜

 お茶の間に集りやすし庭若葉  星野立子

 かけ橋の橋杭かくす若葉哉  政岡子規 若葉

 かたよりて右は箕輪の若葉哉  政岡子規 若葉

 かへりみる若葉の空や雨滴声  角川源義

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