旅の傘少し濡らして薔薇の午後 稲畑汀子
蔓薔薇の滴に濡れて傘開く アロマ
薄紅の薔薇の吐息か雨もよい アロマ
涼新た傘巻きながら見る山は 飯田龍太
ビル街に花咲くように傘開く アロマ
猟夫と逢ひわれも蝙蝠傘肩に 山口誓子
緑立つ路地や傘より紙花吹雪 角川源義
冷やかや探しあぐねし筆の傘 石川桂郎 四温
アイボリー地紫主体に薔薇の傘 アロマ
蓮の葉の大盃をなし傘をなし 清崎敏郎
路次のそら傘を杖とし朝は出づ 三橋敏雄
露店の傘負け顔や五月晴 正岡子規 五月晴
露店の大傘や夕しくれ