マドロスパイプ粋に咥えて港町


 船乗りになりたくて子のハンモツク  中村純子 『花守』

 船乗りの 体臭ゆれる ミルクホールの朝  伊丹公子 メキシコ貝

 船乗りの一浜留守ぞ罌粟の花  去来

 船乗りの妻編む毛糸太きかな  今泉貞鳳

 船乗りの帽子のかげの射手座かな  小長井和子

 船乗りの毛深き腕やエリカ咲く  磯貝碧蹄館

 船乗込もどる囃子や鰯雲  水原秋櫻子 蘆雁

 船乗込待つやなびける夏柳  水原秋櫻子 蘆雁

 船乗込待つ絵団扇や小桟橋  水原秋櫻子 蘆雁

 屠蘇の杯船乗りびとと肩ならぶ  小川濤美子

 風鈴や船乗込の噂して  水原秋櫻子 蘆雁

 名月