連載:

「お前、何者?」

チャイムが鳴った。今頃何だろう。宅急便か。

郵便局の制服を着た、日に焼けた女性だ。この辺りでよく見る。女性から箱を受け取りサインした。

「あら、気付かなかったわ。綺麗ですねえ。」
女性はそう言って見上げた。

お前、いい仕事してるねぇ。今日は朝から幸先よかった。着替えてから辺りを1周した時だ。今年リタイアしたご近所さんが花の手入れをしている。

「お庭見ていいですか」
そう言って敷地内に入った。

「ネジバナですよね、こんなに大きいの、初めて見ました」
「何もしてないのよ。ネジバナが好きなの。」

「ええっ?!私も」
「持ってく?」

そう言って彼女