海の家おでんを食べてまた泳ぐ


 海の家茣蓙に砂あり夏の果て アロマ

 行く手に入道雲が立ち上がる  アロマ

 ゆく夏や鏡の中の空の色  村山故郷

 わが倚る樹夏終れりと法師蝉  山口青邨

 アパートも店も借りもの夏果つる  鈴木真砂女 夕螢

 海の家おでんを食べてまた泳ぐ  アロマ
 
 ソース瓶潮騒に立つ夏の果  桂信子 緑夜

 ヒロシマ忌夕爾忌と夏過ぎゆくか  安住敦

  人ひとり遠き橋ゆき夏の果  桂信子「草影」以後

  会社には大小あれど夏終る  三橋敏雄

  吾が顔にひそむ*べし見や夏の果  松崎鉄之介

  土瓶より濃き茶出でくる夏の果  桂信子 緑夜