秋の色ふと感じる午後三時 


 いづくともなく榛の野の秋はじめ  岡井省二 有時

 おん墓の初秋風と思ふべし  石田勝彦 雙杵

 きのふけふはや初秋となりにけり  正岡子規 初秋

 はつあきのいまさら小さく生れける  野澤節子 八朶集以後

 はつあきの宇治の仮橋木が匂ふ  山田みづえ まるめろ

 秋の色ふと感じる午後三時  アロマ

 はつあきの水に落せし咳ひとつ  鷲谷七菜子 銃身

 はつあきの言葉を紡ぎ一歌仙  山田みづえ まるめろ

 はつあきを石田いづみに逝かれけり  山田みづえ 草譜

 はつ秋の雨はじく厚朴に施餓鬼棚  飯田蛇笏 山廬集

 はつ秋の雨は