沢蟹紅く郷里の溝にいて アロマ
沢蟹の榧の実運び尽しけり 水原秋桜子
沢蟹の鋏もうごくなづなかな 蓼太
沢蟹も雨にもみづる凹凸竄(おうとつか) 高澤良一 宿好
沢蟹やほとほとぬるき古湯の温泉 下村ひろし
沢蟹をかりりと焼くや山の秋 長谷川櫂 蓬莱
沢蟹をここだ袂に入れもちて耳によせきく生きのさやぎを 原阿佐緒
沢蟹を押さへて甲斐の乙女たち 廣瀬直人
沢蟹を獲る手真赤にしてゐたり 茨木和生
沢蟹を食べれば雪の恵那に月 鈴木貞雄
沢蟹を伏せたる籠もみぞれゐる 飯田龍太
沢蟹を蹤いてくる子に不