「若い時のアメリカ留学で私の受けた影響」

老人になった私は今更ながら若い時のアメリカ留学の影響の深さを感じています。それは心の底に眠っていて、時々頭をもたげるのです。私は無意識のうちにアメリカ留学の体験が自分の判断を左右していることに気がつきます。
私はフルブライト留学生として1960年から1962年まで、オハイオ州立大学の金属工学科に留学しました。
その時アメリカ人はいつも私を励ましてくれ、好意溢れる支援を惜しみなく与えてくれたのです。

例えば博士過程を卒業するために実験装置を作ったときのことを思い出します。その装置の完成には大学に付属した機械工場のニールさんという職人がひどく親切に協力して