残暑見舞い その弐

今夏の読書日記になった前回。
隆慶一郎『影武者 徳川家康』はほんとに面白かった。
それをものする要因となった村岡素一郎『史疑 徳川家康事跡』も読んでみた。こちらは明治35年刊行のもので、世良田次郎三郎が家康であるというのは変わらぬ主軸だけれど、『史疑』では影武者ではなくて、別人である世良田次郎三郎が徳川家康となったという話であった。

『影武者』の方は、関が原合戦で討ち死にした家康の影武者である世良田次郎三郎が、二代将軍となる冷徹無慈悲・短慮・凡庸な徳川秀忠との必至の応戦で、豊臣氏を存続させようとしたが・・という大長編作。

いずれがと問われれば、読みや