勝負手「失うものの多少」

 今から20年ほど前、北京のガイドが「交通信号を無視して大通りを横断する人が多いが、ドライバーが一番怖いのは命を惜しまない人だ」と言っていた。
 サスペンスドラマでよくあるのは、若い頃いっしょに犯罪を犯し、その後、一方は成功し、他方は落ちぶれたとき、後者が前者を「あのときのことをばらす」とゆするストーリーである。
 きかん坊が自分の言い分を親に認めさせる一つの手段は、公衆の面前で大声で泣いたりわめたりすることである。
 これらからいえることは、本来、自分にとってマイナスになることでも、相手がより困れば、勝負になるということである。
 すなわち、失うものが