気になるものは仕方ない



 まだ、事業を立ち上げない時に、夫の介護を抱えてこれ

から私はどうなるんだろうかと悲壮な表情をして玄関に佇

んでいたFさん。お話するうちに落ち着かれて行かれたの

だが、ずっと気になる方であった。


 散歩の途中に電気がついているとほっとしたり、それで

も時々声をおかけして、近況をお聞きしたりしていた。

昨日も散歩の途中に立ち寄って、お元気ですかと声をかけ

たところ、三か月前にご主人が亡くなられたこと、お孫さ

んにやっと子どもができたことを、何度も何度も話され、

散歩どころではなくなった。


 驚いたことに、夫が亡くなったことは誰に