矢田挿雲ワールド「大正時代の江戸の史跡」③国学の大家 北村季吟眠る正慶寺

北村季吟の墓は都の史跡に指定されている。しかし現代人には彼から七代目の末裔、北村季晴の方が知られているかも知れない。季晴は長野県民歌「信濃の国」を作曲、また桃太郎とは縁が深い「ドンブラコ」を捻りだした人物だ。

「江戸から東京へ」北村季吟の項289pには下記の記載がある。
「ドンブラコドンブラコなどと、オペレットの割台詞を受渡して、子供等を喜ばせている北村季晴氏が、翁の正系だと思われているが、氏は翁の傍系であって…。」
280pの文章だ。
「翁の墓は高さ四尺五寸、幅三尺ばかりの頭の丸い棹石(さおいし)に【再昌院法印季吟先生】と刻し、右方の石燈籠には、丸い