連載:宗教2

ようやく名前をもらったきみへ (自分のためのメモ)

この暑い夏に
きみのお母さんは実家に身を寄せた
きみを生むためだ
8月の下旬に 無事に生まれたきみはこうして
ジジの腕の中で安らか寝息をたてている

たよりなげな きみの腕
そしてまだ 柔らかい頭
じつは
きみの心臓が止まるんではないか
ちゃんと息をしているだろうかと
ハラハラしているジジではあるけれど

心臓はしっかりと鼓動を刻み
いのちは確実に歩みを進めていることが
しっとりとした体のぬくもりとともに
腕に伝わってくる

きみの心臓は そうだね
8ヶ月くらい前だろうか
お母さんのお腹の中でうち始めた
きみの死を迎えるときまで
その鼓動は休むことがない