日を浴びて風に煌めくコスモスよ


 コスモスの戸口明りや遠野郷  平綿涼風

 コスモスの押し寄せてゐる厨口  清崎敏郎

 コスモスの揺るぎ始めはゆるやかに  永川絢子

 コスモスの揺るる影さへしあはせに  内田啓

 コスモスの揺れやむひまもなかりけり  久永雁水荘

 コスモスの揺れゐる原に身を投げて真澄みし空をかたみに抱きき  清水賢一

 コスモスの数より多く見せて風  嶋田一歩

 コスモスの枯るゝ雨音夜の炉に  長谷川かな女 雨 月

 コスモスの枯れて神父の髭白し  内藤吐天 鳴海抄

 コスモスの根方は父を遠くせり 宇多喜代子

 コスモスの横に吾が顔ぶれてゐる 高