晩秋の風

冬の風には荒寥感があり
秋の風には蕭条とした思いが宿る
冬へ向かう下り坂の季節が秋
吹く風もそこはかとなく
寂しいのは当然だろうか
そぞろ寒をもたらす
冬の枯野へ向かう
晩秋の風は冷たく切ない


移り行く秋の風情の真ん中で
地に落ちた琥珀色の
落ち葉を追いながら
ひとり 誰を待つ
風の吐息が耳をかすめる

世のすべて生々流転
挫折と希望が織り成すこの季節に
傷ついて戸惑う人も少なからず
気が付けば秋の陽はやさしく
明日を約束して落ちて行く

カテゴリ:日常・住まい