暮れ落ちる赤い太陽稲田染め


 黄金の稲田煌めき風渡る アロマ

 刈りごろの稲田やさしくなる暮光  大井雅人 龍岡村

 さわさわと稲田の戦ぎ心地良く アロマ

 刈る前の稲田ふくらみ畦かくす  池田秀水

 刈拡ぐ稲田むかしの広さでなし  太田土男

 冠水の稲田に雲の尾の垂るる  佐久間俊子 『むさし野』

 干拓稲田貝殻群が畦に散り  河野南畦 湖の森

 干拓稲田夜は遠き灯に睦むとか  河野南畦 湖の森

 雁渡る月の稲田の眩しさを  中村汀女

 奇稲田姫の須勢理姫の恋の秋峠  伊藤いと子

 奇稲田媛の宮処の薄すみれ  荒井正隆

 汽車は過ぐ稲田が浜となるところ